草加市PTA連合会子育てコラム8

練習試合では実力を発揮できるのに、大会になると半分の力も発揮できない。練習では上手にできるのに、本番になると力を発揮できないという子どもがいます。多くの子どもがそうかもしれません。ワールドカップラグビーのように、たくさん練習して自信を育てればいいのですが、練習時間には限りがあります。

「先生、僕は本番と聞くと、ドキドキしていつも失敗してしまいます。どうしたらいいですか。」

私は、そんな教え子の質問に次の話をしました。
すると、見事、練習以上の力を発揮して優勝してくれたのです。びっくりしました。

忍者の最高の技は?

昔々、戦国時代に、お殿様が有名な忍者の頭領をお城に呼びました。

殿様は、「お前達忍者は、水の上を歩いたり、色々なものに化けたりできるそうだな、ここで、お前ができる最高の技を見せてみろ、私を驚かせたら多くの褒美を授けるぞ」と言いました。
(※教育で一番大切なことは「わかる」ことです。学年や学級の実態に合わせて黒板も使ってわかりやすく話します。NHKで忍者を扱った番組がある事からほとんどの子どもは忍者のことを知っています。)

忍者の頭領は大広間の襖を開けると、20㎝足らずの敷居の上を真っ直ぐ歩きました。
そして、「これが、私の最高の技です。」と殿様に向かって言いました。

忍者の最高の技を見せろと言ったのに、蛙や蛇に化けたり、一瞬で消えてみせるなどの技を期待していた殿様は思いっきり怒りました。そして、

『無礼者、そこをどけ!敷居の上を真っ直ぐ歩くなど簡単なことだ』
と言って、忍者の頭領と同じように歩いて見せました。
『おぬし、わしを馬鹿にしているのか、どういうことか説明せよ。もし、わしを納得させられないなら、この場で切って捨てるから覚悟しろ』
と刀を抜き、怒り狂って怒鳴りつけました。

すると、忍者の頭領は、

『殿様、殿様は敷居の上を真っ直ぐに歩くことができましたが、もし、この敷居が千尋の谷底の上にかかった山と山を結ぶ橋だったら歩けますか。我々忍者は、この敷居の幅があればどのような場所でも真っ直ぐに歩くことができるのです。つまり、我々の最高の技は、どのような場所でもドキドキしたりせず普段どおりに活動できることなのです。』

この話を聞いた殿様は、『なるほど、忍者の最高の技とは精神力なのだな。よくわかった。おぬしに最高の褒美をつかわす。先ほどは怒って悪かった。許してくれ。』
とこたえたそうです。

ninja

教え子は、本番だからといってドキドキせずに普段どおりにすることの大切さを知り、見事に優勝してくれました。
それ以来私は、本番が近づくと、忍者の最高の技の話をし、
本番では『忍者の技を思い出してね。』と声かけをするようにしています。